• NEWS
  • 【GOOD NEWS NEIGHBORS -北海道・道東編-#5】日本一、町民に必要とされる道の駅を目指して。地域と人を繋ぐ士幌町『道の駅ピア21しほろ』のモノづくり
NEWS一覧

SHARE

【GOOD NEWS NEIGHBORS -北海道・道東編-#5】日本一、町民に必要とされる道の駅を目指して。地域と人を繋ぐ士幌町『道の駅ピア21しほろ』のモノづくり

津別町を出発した我々は、次の目的地である十勝地方の士幌町を目指す。

途中、車内で打ち合わせをしていた宮本さんの電波が途切れ途切れになると、中西さんが「ここ電波悪いんですよね。あと10分走れば大丈夫です」と言った。電波のある/ないを道単位で把握していることに驚かさせる。それだけ何度も、この道を走りながら人に会いに行くことを繰り返しているのだろう。

道中で足寄町に寄り道。松山千春さんの名曲『大空と大地の中で』の歌詞に北海道の郷愁を強く感じる

士幌町は農業を基幹産業としており、JA士幌町のジャガイモ生産取扱高は日本一を誇る。『食の王国』と称される十勝のなかでも屈指の農業地帯だ。

車で走っていると、見渡す限り続く広大な畑や、のんびりと草を食む牛たちの姿が目に飛び込んでくる。「これぞ北海道」という風景が次々と見られるのも十勝地方の大きな魅力だなと思う。

休憩を挟みながら走ること約2時間。2つ目の目的地である『道の駅ピア21しほろ』に到着した。

ここは町の特産品であるジャガイモを使った『しほろスタイルフライドポテト』や、近隣の農家さんの産直野菜が販売されているほか、一頭買いしている『しほろ牛』を堪能できる食堂もある。そして、地元の食材を使ったオリジナルのお菓子も数多く開発・製造されているのだ。

この道の駅ピア21しほろを運営しているのは、『株式会社at LOCAL』の堀田悠希さんだ。もともとは中札内村の出身で、大学卒業後に地元のJAに勤務。結婚を機に士幌にやってきて、旦那さんと共に農業を営んでいた。そんな彼女が道の駅の運営をすることになったのは、なぜだったのだろうか?

「士幌の道の駅は第三セクターが運営していたんですけど、なかなか黒字化が難しい状況だったこともあって民間の委託先を探していました。ただ、当時の士幌にはこれだけ大きな施設の運営を担える民間企業がなくて…。このままだと町外の企業に任されてしまうという危機感があり、28歳のときに意を決して会社を設立しました。そこから公募に参加して、2017年から委託を受けることになったんです」

堀田さんたちが目指すのは「日本一、町民に必要とされる道の駅」。農家さんたちの想いが伝わるようなポップを制作したり、地元の食材を活用した商品を開発したり、イタリアンのシェフを料理長に迎えて道の駅でフルコースを食べられるようにしたりと、地元の農家さんや町民の方に喜んでもらえるような施策を次々と打ち出している。

「私たちには、小売の経験も施設を運営するノウハウもなかったんです。だからこそ、まずは生産者さんや製造業者さんのことを考えようと思いました。今でもそのことを大切にしながら商品開発や運営を進めています。予算がないから什器も自分たちで作ったりしてて。その結果、ごちゃごちゃしたセルフビルドな売り場になってるんですけど(笑)」

そうした運営は町内外から注目を集め、今では年間で30万人が訪れる道の駅となった。

これを食べるために来るという人もいる『しほろスタイルフライドポテト』。外はガリっと、中はふわふわの食感で、ジャガイモの甘さが感じられる

『道の駅ピア21しほろ』では、スタッフの方がお客さんや業者さんと楽しそうに会話をしている姿をよく目にする。我々が訪れていたときも、たくさんのお客さんが堀田さんに「こんにちは!」「久しぶりー」と声をかけていた。地域との関係性のよさが伝わってくる。

地域やお客さんとの関係性について、堀田さんは「期待に応え続けることが大切」と話す。「農家さんに喜んでもらうためには丹精込めて作った野菜のことを教えてもらって、その背景やこだわり、美味しい食べ方などを、私たちが代弁者となって伝えていく必要があると思っています。お客様に対しては、『道の駅で食事や買い物をしてよかった』と思っていただけるように、売り場作りや接客を通して、生産者さんの想いを伝えられる努力をしています。その積み重ねによって、士幌を好きになってくれて、また来てくれる人が増えていったら嬉しいですね」。作る人と買う人の間に立って、両方の期待に応えるための努力を続けているからこそ、お互いとの良好な関係性を作っていけるのだろう。

「道の駅だけでなく、士幌の町全体を楽しんでほしい」との想いから、ドット道東と協力してガイドマップも制作。地元の方にも喜ばれている

以前は既製品のお土産しかなかった『道の駅ピア21しほろ』だが、堀田さんたちが運営を受託した2017年から今までで実に50を超えるオリジナルアイテムが生まれたそうだ。

その際にも大切にしているのは、「日本一、町民に必要とされる道の駅」というビジョンからブレないこと。素材を作ってくれている生産者の方が喜び、町の人にも愛される商品を生み出すためには力を惜しまない。食への妥協がないところも、『道の駅ピア21しほろ』が信頼されている理由のひとつなのだろう。

町内で一軒の農家さんだけが作っているシーベリーという果物を使ったかりんとう。果汁がたっぷりでフルーティな味わい

そこまで話を聞いて、宮本さんが「20代で道の駅を任されて、ここまで大きくしたのは本当にすごいですね」と口をひらく。

その上で「これだけ商品を作って、売り場を編集できる方なら、新千歳空港のGOOD NEWSのお店の一角のお店作りも任せちゃったほうがいいんじゃないかな。売り場の一角に『道の駅ピア21しほろ』を作るみたいな。例えばですけど、最初の数日間はうちのスタッフと一緒にお店に立ってもらって、そこで僕たちも士幌のことを学ばせてもらう。そうやって生産者の方々の想いを伝えながら新千歳でも販売できたらいいかなと思って」と提案すると、堀田さんは「やりたいです!」と即答。その場で売り場の構想が膨らんでいった。

「うちのスタッフの子たちには『地方でも、こんだけ給料をもらってる』と思ってもらえる企業にしたくて。そのためには道の駅の売り上げだけでは限界があって、外で商品を販売していくことの重要性も感じていたんです。そうやって外で商品を販売するときには、今以上に士幌や生産者の方のことを語れるようにならないといけません。だから、外で対面販売ができる機会は、それ自体が大事な研修になるし、それをまた別の社員にフィードバックしてもらえたら全体のレベルアップに繋がるじゃないですか。いずれは、自分で商談して、商品セレクトして、外での販売をしてくれるようなスタッフを育てていきたいので、ぜひ新千歳のお店にも立たせてもらいたいです」

単に新千歳空港に商品を置くだけではなく、それが士幌を知るきっかけになり、スタッフの自信やスキルアップに繋がっていく。商品を通じて新しい価値が生まれていく循環は、GOOD NEWSが『バターのいとこ』の生産・販売を通じて目指している世界と似ているように感じた。

新千歳空港には、どんな形で『道の駅ピア21しほろ』が再現されるのだろう。それはきっと士幌町との架け橋のような場所になるはずだ。

▼ドット道東的オススメポイント

十勝・士幌町の『道の駅ピア21しほろ』では、町内の生産者と共に開発した商品や町内の特産品が所狭しと並んでいる。「日本一、町民に必要とされる道の駅」というビジョンの通り、道の駅という場所で町民や町の魅力が最大限伝わるような編集が売り場に込められていて、いつも訪れるたびに勉強させてもらっている。新千歳空港でも、士幌町の魅力がギュッと詰め込まれた売り場を楽しんでいただきたいです。

APPLICATION

みんなが繋がる、広がる、続けるまちづくりアプリ

アプリをダウンロード&会員登録でGOOD NEWSでお買い物すると、サステナブルポイントがお買い物額の1%貯まります。貯まったポイントを、GOOD NEWSの取り組むサステナブルアクションに運用させて頂くことで、皆様の日々のお買い物を「持続可能なまちづくり」に繋げていきたいと考えています。

ダウンロードはこちらから。
ご利用はすべて無料です。

みんなが繋がる、広がる、続けるまちづくりアプリ